2010年5月8日土曜日

第1080回MS@相模原市

平成22年5月8日 午前6:30~
於:ホテルセンチュリー相模大野
参加者数:37社37名
講話者:環境省3R推進マイスター
エコプランナー 鈴木 武 氏
テーマ:1個のレンガ
~複眼的経営による無理と無駄の見直し

鈴木さんが普段から実践していることは、おカネにお礼をすることだそうです。資本主義経済の日常生活では、もっともお世話になっているのだからと、彼らにお礼をしているのだとか。具体的には一緒に風呂に入ったり、旅行に出た際には良い景色を見せて上げているそうで、こうした実践で、少なくとも自分はおカネが増えているので、是非皆さんも実践して欲しいとのこと。
鈴木さんは松下電器(現:パナソニック)に長く勤められる中で、松下のゴミをゼロにした仕掛け人です。それも現場から、すなわちボトムアップでゴミ箱を撤去するに至った希有な事例なのだそうです。パナソニックは松下幸之助翁の考えが強く浸透しているなど、強い企業文化・風土を持っている企業だけに、これまでの慣習・文化を変えさせるのはとても大変だったといいます。
最初にゴミの分別がないところに、色つきのゴミ箱を用意したが、なかなかその通りには入れてくれない。自分にとって要らないものだから、放り投げてしまう。そういう方に「分別していないですね、それは困りますよ」と言おうものなら、『誰が捨てたのか分かる証拠があるなら別だ』と言われ、本部に電話されて首にされてしまう。したがって、彼らを責めることはできない。困り果ててゴミ箱を1m高い位置に動かしたら、「投げ入れる」動作が「キチンと入れる」動作に変わった。床に落ちている名刺はゴミだが、テーブルの高さにあれば「忘れた名刺」になるし、もう1m上げたら「ありがたい言葉があるもの」ということで、意識が劇的に変わった。

予算ゼロの中で物事を進めるためには、『知恵』を使うしかない。一般的には『知識』を習得することが教育と誤解されがちだが、持っている『知識』をいかに応用・工夫して『知恵』に変えるかが、本当の教育である。柔軟性を持った発想ができないと応用・工夫はできない。例えば「1個の煉瓦をどう使いますか」と尋ねて見ると、1~5個と答える方が70%で、こうした傾向は高学歴の方に多く、1分もあれば止まってしまう。5~10個の方は20%、10個以上の方は10%程度に留まるが、意識を変えて、柔軟に物事を考えて、知識を知恵に変えられるようになれば、ゴミがゴミでなくなり、資源に変えることすらできるようになる。

×が4つあり、それらが最大化した状態が「爽やか」な状態で、そうした状態が変わると「幸せ」になる。経験はしたくないが、折角厳しい体験をした際には、爽やかから幸せになるためのプロセスにあるのだと、発想を考えて欲しい。自分自身が上司との折り合いも悪く、使い辛い窓際族であったと思うが、逆にこうした自分だからこそ、ゴミをゼロに変えられた。ゴミゼロの詳細は、次の機会(5月27日の町田市MS)でお話ししたい。

人生にとって大切なことは、「いつ学ぶかではなく、できることをいつ実行するか」である。松下時代に上司からは「(松下精神は)頭にたたき込め」と言われたが、松下幸之助翁に何回かお会いした際に感じたのは、精神はその方の立ち居振る舞いに宿っている、すなわち身体に宿っているものだと分かった。

1 件のコメント:

  1. 早速お金にお礼ということでその日の夜、樋口一葉さんと一緒にビールを頂きました。福沢さんも野口さんもうちに来ればビールが飲めますよ!

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