2010年4月24日土曜日

第1079回MS@相模原市

平成22年4月24日 午前6:30~
於:ホテルセンチュリー相模大野
参加者数:36社37名
講話者:株式会社コミュニティ企画
株式会社コミュニティサービス
美正堂
代表取締役 野平義昭氏
(秦野市倫理法人会相談役)
テーマ:プロジェクト発足~リゾート開発チーム~

相模原市倫理法人会との縁は長い。18年ほど前、現在は水耕農業に情熱を燃やしている小田原のスーパーヤオマサの田嶋さんが神奈川県倫理法人会の会長だった時に、板橋会長が幹事長、自分は事務長、大澤専任幹事は副事務長として役を担っていた。

実家は千葉県で「野平呉服店」を営んでいた。95歳で健在の母親はよく家訓のようなことを子供にも話していた。とりわけ良く言われたのが「衣食足りて礼節を知る」という言葉で、商人としての道を大事にしろ、と説いていた。
ある時、地元の農協が主催する呉服を展示・販売する共同催事が企画された。地元の6軒の呉服店のうち、実家を除く5軒だけで話が進んでいて、自分たちに知らされたのは3日前だった。だが、日頃から商人道を大切にしていたおかげで、日本橋で有力な呉服問屋が協力してくれた。
ふたを開けて見ると、来場者はいろいろと見比べるが、8~9割は自分たちの商品を選んでいた。そんな経緯があって、実家を継いだ兄は店を辞めたいとも思っているが、そうした恩を受けた問屋がある限りは…、と呉服屋を続けている。

新しいリゾート開発チームのプロジェクトは11人のメンバーで動いている。強羅と仙石原を結ぶ県道733号が敷地内を横切っていて、強羅駅まで徒歩15分の3万坪(道路部分だけで1,500坪)ある大型不動産があり、ゼネコンに勤めている知人から話があって購入した。箱根は市街地調整地域は皆無で無指定地域が大半であるが、国立公園内であるために樹木1本を伐採するのも大変な場所である。それゆえ開発は困難と見向きもされなかった物件だった。
全部で34筆に分かれていて、50年以上も道路部分だけを所有している地主がいて「虫食い状態」になっている。敷地を横切る県道も実は私道で、境界確定が終わっていない部分も数多あり、購入してから1年以上経っても道路の所有権を県に寄付できない状態である。
総予算は5億円を見込んでいるが、開発の規模が規模だけに草刈りを自分たちでやるなど、できるところは節約している。「ジョーズ」という草刈り機をレンタルしてやっていると、小さな谷が隠れていて、突然落ちてしまったり、湧き水にぶつかって止まってしまったりと、トラブルが頻発していてメンテナンスの方が大変なくらいである。そんな大変な場所なのに、「日限が迫っているので」と雨が降っても予定通りボランティアで草刈りに励んでくれる人もいる。

開発のゴールイメージとしては「サウンドスケープシアター」という概念を打ち出した。サウンドスケープの第一人者である方にも関与してもらい、武蔵野大学とも連携した。連携を頼むときに、率直に思いを伝えた。小田原で暮らしているだけに箱根への思いが強く、せっかくのご縁なので、とにかくやってみることが大切だと訴えた。
開発に際しては、手本となる全国のいろいろな施設を見て回った。例えば、山梨県にある柳生博さんが館長の施設は、雑木林の中にぽつんとあるだけなのに年間10万人来場しているそうで、そうしたところのエッセンスを活かしつつ、世界中を見回しても他にはないリゾートを作りたいと奮闘しているところである。飲食業などの方で、そんななリゾートで何かやってみたいと思う方がいたら、どんどん声をかけてほしい。

還暦を迎えた自分だが夢追い人の最中で、新たな困難を喜びに日々前進している。「信じて前へ、運を天に任す」という気持ちでプロジェクトに取り組んでいるところである。
久しぶりに相模原に来たが、若い会員さんが多くて頼もしい。若い方には「報恩感謝の実践」、すなわち自分を倫理に導いてくれた方へ「ありがとう」といえるようになって欲しい。倫理を紹介してくれた方は、あなたの家族や会社を思って声をかけてくれたはずなので…

2010年4月21日水曜日

第1078回MS@相模原市

平成22年4月17日 午前6:30~7:30
於:ホテルセンチュリー相模大野
参加者数:38社39名
テーマ:稲盛流経営哲学との出会い
講話者:
株式会社アクティブチームメソッド研究所
代表取締役 高比良 聡 氏

現在は独立してコンサルティングを行っている高比良さんは、ゼネコンで4年、物流機器メーカーで4年、コンサル会社で4年、現場改善に取り組んでいた。
日系コンサル会社では苦い経験をした。改善の理屈は優れていたかも知れないが、本人たちにはやらされ感があって、やがて苦痛となり、本物の改善に結びつかなかった。そこにいる人たちが自分自身が主体となって取り組まないとダメだと気づいた。そうした中で稲盛和夫氏の「心の経営」に出会い、興味を抱いた。その後、山形県のコンサル先で倒れてしまい入院した後に、京セラ系コンサル会社の募集広告を見て、飛び込む決意をした。
そこでは毎朝、全員朝礼があった。200名の社員が一堂に会して、全員の顔が見られることにこだわっていた。何かにつけて集まり、「とりあえずコンパをするか」と飲み会をする。時間制限のない場所(社内が理想)で続ける中で、バラバラのシマがくっついてきて、2時間もすると本音が出てきて、仕事の話で自然と盛り上がるという。コンパを続ける中でリーダーたちの中に一体感が出てきた。
そこに8年在籍し、自身も社内で稲盛経営哲学を実践していた。京セラ系の会社に入ると「京セラフィロソフィー」という経営哲学を記した手帳のようなものをもとにして実践を目指していく。

京セラフィロソフィーでは、哲学=考え方が、社内のあらゆる仕事に繁栄されているかがポイントとなる。
経営の心=心をベースに経営する。移ろいやすいが結束していくことが重要。その背骨として「原理原則に従う」、何が正しいかを徹底して追求して行動していけば、正しい行動となるし、疑われることもない。
原理原則(正しいこと)の根本は、幼いときに父母から教わった通りにすれば、間違いがないというところに帰結する。こうした源流志向に感銘を受けて、今もコンサルするときにはここを基本に据えて取り組んでいる。
独立して倫理に入って、万人幸福の栞を見たときに、フィロソフィーにある「心を高めるために」の要素が出ていたことに驚き、入会前から触れていたのだと気づいた。
よい仕事をするためには、自燃性、すなわち自ら燃えて率先垂範する。常に、余裕を持って土俵の真ん中で相撲を取る必要がある。正しい判断をするためには、利他の心を判断基準として、大胆さと細心さを併せ持つ中庸さを持つことが大切。
新しいことを成し遂げるためには、潜在意識に透徹する強い願望を持ってやり抜くことが重要。もうダメだと思うときが仕事のはじまりで、とても辛い状況だが、逃げずに取り組むことがとても大切なことである。
よくいわれる「考え方×熱意×能力」の方程式は、順番が大切で「考え方」が最初に来ることが重要である。
自分の能力は未来進行形で捉える。納期が3カ月先なら、今はできなくても3カ月先にできるならば受けることが大切。今だけを基準に考えない。



部門別採算管理にも哲学が落とし込まれている。「値決めは経営である(互恵関係になるように)、売上を極大に経費を最小に、日々採算を作る(結果だけを見ているのでは打ち手が取れない)」というところ。
京セラ哲学では、人件費については人が居てナンボ、社員は家族なので、リストラはしないという捉え方をしている。必要経費も間接部門が持って管理を容易にすることを良しとせず、手間をかけてでも利益責任を明確化することにこだわっている。
メンバーは計画を立てる。これは自分がどうしたいのかという思いから考える。そして、見えなくてもよいので自分で作ることを繰り返すことで、そのことが実現するようになっていく。

稲盛哲学と倫理の実践を続けることで、皆さまから信頼される人間になりたい。

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会社において社員の成長のためにおくべき土台
1.自社にとって「正しい」ことは何か
2.人間として「正しい」ことは何か
3.社内の問題が見える環境を作ること

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2010年4月10日土曜日

第1077回MS@相模原市

平成22年4月10日 午前6:30~7:30
於:ホテルセンチュリー相模大野
参加者数:27社27名
テーマ:立場の自覚
講話者:株式会社アスク 代表取締役
倫理研究所法人SV 小山 秀一氏

会員スピーチは牛島一昭さん。親が倒れて5日目に亡くなった。脳幹出血のため手術のしようがなく、医師から「今日明日だ」といわれ、諦めていた。だが、3日目に呼びかけに反応して、手を握ると握りかえしてきた。これを見て医師が「これなら少し大丈夫でしょう」といわれ、月末なので自宅に戻ろうと空路羽田に着いて、そこから電話を入れたら「2、3分前に亡くなった」といわれた。翌朝一番で宮崎に向かった。いろいろと考えることはあったが、通夜、葬儀、初七日と進めていった。
そんな中、私の会社にも新入社員が3名入ってきた。彼らのレポートに「人間関係には6つのポイントがある。挨拶、笑顔、返事、身だしなみ、気遣い、言葉遣い」とあったのを見て、社会に出て時間が経つと基本を忘れ、サボりがちになってしまうことに気がついた。倫理で学んでいることもこうした人としての基本なので、新入社員に負けないように実践していきたい。

スピーチの後、進行の吉野さんが講話者の小山さんを呼ぶと、小山さんはアッという間に登壇しました。小山さんは、自分は呼ばれてから演壇に上がるまでのスピードは№1であるといいます。倫理の学びは気づきにあるが、ある時に倫理での拍手は他のセミナーとは違う“一生懸命な”拍手であることに気づいた。手を叩き続けて痛い思いもさせたくないし、できるだけ早く登壇しようと心がけるようになった。
ある時、放送局で表彰を受けるときに「アスクさん」と呼ばれると、他の誰よりも早く(社長が)登壇するのを見て、社員が元気づけられると思う。社長が自分の立場を自覚した行動をするからこそ、社員に元気を与えられるようになるのだと考えている。当社は広告やフリーペーパーを製作している会社で、社員数は僅か10人の会社なので大企業のような社員教育もしていない。自分は人を成長させるには、自分の仕事をなくすことが一番と考えていて、常々「いなくなる(ことがあっても会社が回る)こと」が目標と説いている。
広告代理店は「士農工商代理店」という階層構造があるが、自分たちは新聞社を印刷・発行機能を担わせるアウトソーサーと考えている。輪転機や印刷機に投資をしないおかげで、実際にフリーペーパーは1媒体あたり1人半とか2人で作ることができる。少人数でやっているから、媒体に編集者としてついた担当者は、自分がいなくなっても回るように下を育てることを意識している。全員が管理者・経営者感覚を持っているので、財務諸表を読む力がある。月1回の全体会議では現預金の動きと元金返済額・減価償却費を織り込んだ資金繰りだけを押さえている。
会社をこういう体質に変えられたのは、ある事業に失敗したからである。1億円を投資して英国の額縁販売の権利を得たことにある。最初にいった銀行は「年商1億円の会社が1億投資するのはあり得ない」と断られたが、次の銀行は自分の勢いに負けたのか、インパクトローンで貸してくれた。櫻井よしこさんがキャスターを務めているころの「きょうの出来事」で『長野発の全国展開のビジネス』と取材も受けたが、地元の会社が義理で付き合ってくれた以外は増えていかなかった。自分が信じていれば伸びていくはずで、ダメなのはビジネスの対象物と考え、5千万円で売却できたが、1億円の負債が残ってしまった。

当初妻が反対していたものを無理に進めてしまったうえ、借金を残してしまったので、夫婦関係もギクシャクしていた。そこで倫理の個人指導を受けた。「社長を支えなさい」といってもらえると思ったが、「そんなことを考えるのはまだ早い」といわれてしまった。またある時には「ウチは馬鹿社員ばかりで困る。何とかならないか」個人指導を受けたところ、水上先生に「人には各々役割がある。教育システムがないために社員が犠牲になっている」といわれた。
社員や妻が「思い通りにならない」のが自分の苦難感だが、これは主観として表れてきているもので、客観的には向こうに問題があるのかも知れないが、そうしたことに気づかせてくれるために、彼らが演じてくれていたことに気がついたことで、自分も立場を自覚して変わることができた。

2010年4月3日土曜日

第1076回MS@相模原市

平成22年4月3日 午前6:30~7:30
於:ホテルセンチュリー相模大野
参加者数:34社37名
テーマ:今すぐ役立つ環境節約術
~セコ(SECO)ロジーのすすめ
講話者:株式会社環境総合研究会
代表取締役 鎌田 健司氏

本日は、町田市倫理法人会専任幹事で当会会員でもある鎌田さんのお話でした。
鎌田さんは昭和33年岩手県盛岡市生まれで、堀内さんの中学の後輩でもあります。3歳で両親が離婚、母親に育てられていましたが12歳で死別、育ての親に預けられます。今になれば、両親が2人ずついるのはありがたいと語ります。学校を出た後は旅行業界、金融業界で活躍します。今の姿からは想像もつきませんが、「カミソリの健」などと呼ばれていたそうです。そして、平成10年から環境コンサルティング事業に携わられています。
倫理と出会ったのは13年前だが、あまり熱心に参加していなかった。だが、3年前に再び倫理と出会い、今度は親友と呼べる仲間ができるまでに至った。カミソリ…といわれたギスギスした性格もだいぶ円くなった。

温暖化と併せて、気象の反応が大きくなっている。具体的には台風の数は減っているが、一つ一つが大きくなっている。この原因は気温上昇で水蒸気量が増えているためである。ツバルのように満潮時には島が沈んでしまう例もある。
ペットボトルキャップの回収総数は15億個を超えた。1つ1つは小さな積み重ねだが、200万人の子供をポリオから救っている。結核のワクチンは1/3の価格(ポリオは20円、肺炎は7円)なので、600万人が救える。たかが20円だが、その20円が大きな効果を上げている。
集めなくても外すだけでよい。ペットボトルリサイクル時に物質の違うキャップを選別するために、1,000億円のカネが使われているので、この効果も馬鹿にできない。例の25%削減は、紙ゴミをなくすだけで達成できる。割り箸6本でA4の紙が1枚を作れる。
「これが再生されたらどうなるか」ということに興味を持てないことが環境問題の原因と考えている。1個のキャップ、1秒の重みを認識して欲しい。

事務連絡:
1.3/27の花見の出席は23名でした
2.4/9幹部研修があります(南文化センター)
3.4/10MSの後に役員会があります
4.4/13ESに多くの方をお誘いください