2010年4月10日土曜日

第1077回MS@相模原市

平成22年4月10日 午前6:30~7:30
於:ホテルセンチュリー相模大野
参加者数:27社27名
テーマ:立場の自覚
講話者:株式会社アスク 代表取締役
倫理研究所法人SV 小山 秀一氏

会員スピーチは牛島一昭さん。親が倒れて5日目に亡くなった。脳幹出血のため手術のしようがなく、医師から「今日明日だ」といわれ、諦めていた。だが、3日目に呼びかけに反応して、手を握ると握りかえしてきた。これを見て医師が「これなら少し大丈夫でしょう」といわれ、月末なので自宅に戻ろうと空路羽田に着いて、そこから電話を入れたら「2、3分前に亡くなった」といわれた。翌朝一番で宮崎に向かった。いろいろと考えることはあったが、通夜、葬儀、初七日と進めていった。
そんな中、私の会社にも新入社員が3名入ってきた。彼らのレポートに「人間関係には6つのポイントがある。挨拶、笑顔、返事、身だしなみ、気遣い、言葉遣い」とあったのを見て、社会に出て時間が経つと基本を忘れ、サボりがちになってしまうことに気がついた。倫理で学んでいることもこうした人としての基本なので、新入社員に負けないように実践していきたい。

スピーチの後、進行の吉野さんが講話者の小山さんを呼ぶと、小山さんはアッという間に登壇しました。小山さんは、自分は呼ばれてから演壇に上がるまでのスピードは№1であるといいます。倫理の学びは気づきにあるが、ある時に倫理での拍手は他のセミナーとは違う“一生懸命な”拍手であることに気づいた。手を叩き続けて痛い思いもさせたくないし、できるだけ早く登壇しようと心がけるようになった。
ある時、放送局で表彰を受けるときに「アスクさん」と呼ばれると、他の誰よりも早く(社長が)登壇するのを見て、社員が元気づけられると思う。社長が自分の立場を自覚した行動をするからこそ、社員に元気を与えられるようになるのだと考えている。当社は広告やフリーペーパーを製作している会社で、社員数は僅か10人の会社なので大企業のような社員教育もしていない。自分は人を成長させるには、自分の仕事をなくすことが一番と考えていて、常々「いなくなる(ことがあっても会社が回る)こと」が目標と説いている。
広告代理店は「士農工商代理店」という階層構造があるが、自分たちは新聞社を印刷・発行機能を担わせるアウトソーサーと考えている。輪転機や印刷機に投資をしないおかげで、実際にフリーペーパーは1媒体あたり1人半とか2人で作ることができる。少人数でやっているから、媒体に編集者としてついた担当者は、自分がいなくなっても回るように下を育てることを意識している。全員が管理者・経営者感覚を持っているので、財務諸表を読む力がある。月1回の全体会議では現預金の動きと元金返済額・減価償却費を織り込んだ資金繰りだけを押さえている。
会社をこういう体質に変えられたのは、ある事業に失敗したからである。1億円を投資して英国の額縁販売の権利を得たことにある。最初にいった銀行は「年商1億円の会社が1億投資するのはあり得ない」と断られたが、次の銀行は自分の勢いに負けたのか、インパクトローンで貸してくれた。櫻井よしこさんがキャスターを務めているころの「きょうの出来事」で『長野発の全国展開のビジネス』と取材も受けたが、地元の会社が義理で付き合ってくれた以外は増えていかなかった。自分が信じていれば伸びていくはずで、ダメなのはビジネスの対象物と考え、5千万円で売却できたが、1億円の負債が残ってしまった。

当初妻が反対していたものを無理に進めてしまったうえ、借金を残してしまったので、夫婦関係もギクシャクしていた。そこで倫理の個人指導を受けた。「社長を支えなさい」といってもらえると思ったが、「そんなことを考えるのはまだ早い」といわれてしまった。またある時には「ウチは馬鹿社員ばかりで困る。何とかならないか」個人指導を受けたところ、水上先生に「人には各々役割がある。教育システムがないために社員が犠牲になっている」といわれた。
社員や妻が「思い通りにならない」のが自分の苦難感だが、これは主観として表れてきているもので、客観的には向こうに問題があるのかも知れないが、そうしたことに気づかせてくれるために、彼らが演じてくれていたことに気がついたことで、自分も立場を自覚して変わることができた。

2 件のコメント:

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  2. 牛島さんのお話には涙しました。
    小山さんからは元気を頂きました。
    ありがとうございました。

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