2012年2月7日火曜日

経営者イブニングセミナー 工藤栄氏

テーマ 南極の自然と観測隊
国立極地研究所 研究教育係 准教授 第51次越冬隊長 工藤 栄 氏

100名を超える出席者で会場は満員でした。

≪講演会の様子≫
南極観測は50年以上続く国家事業。
最近はキムタク出演のドラマにもなりました。
隊員は成田からオーストラリアに飛行機で行き、そこから砕氷船「しらせ」に乗り込みます。
そこから1ヶ月かけて南極に向かいます。
今は南極は夏です。
15年位前から女性隊員も活躍するようになりました。
想定外が当たり前の仕事です。
だからマニュアルなどありえない。
常に頭を働かせねばならない。
観測隊員は一般に募集しています。
心身共に健康な人が求められます。
氷の割れ目は毎日生じます。

閉鎖されたなか長期間20人以上で過ごすので、バースデイパーティーをしたり、極夜のラーメン屋台をやったりもします。マイナス35度のなか露天風呂を作って、鋭気を養ったりもします。流しそうめんもしました。水は凍ってしまうのでお湯を流します。

隊長として28人1人の脱落者も出さず南極を満喫してもらうことを考えました。

休憩時間中には、南極の氷が配られました。


休憩後は、地球の誕生から今の人類までのお話。
南極観測では、原子の地球で、どんな生き物が繁殖していたのかを調べることができます。
ドームふじ基地は-54.4℃の気温です。
氷の中には、70~100万年前の空気が閉じ込められている層があります。
人類が現れたのが、20万年前ですから、調査研究結果からいろいろなことがわかっています。
氷を解析すると、地球は10万年暖かくて、5万年寒い時期を繰り返していることがわかっています。
その周期でいえば、今は温暖化になっていると言われているが氷期(寒い時期)に向かっているそうです。6億年前は、地球は赤道まで全て氷に覆われた、スノーボールアースの状態だったそうです。

講演終了、たくさんの質問がたくさんありました。
地球温暖化は南極で体感できますか?
→ まだ、体感できることはありません。でも山にアザラシの死体があってそこがずっと昔は海だったと想像すると温暖化が進んだかも入れません。南極も必ずしも温暖化しているわけではなく、暖かくなっている地点もあれば、寒くなっている地点もあります。

南極は紫外線はどうですか?
→ 紫外線は非常に強くて。10日間で真っ黒に日焼けします。南極の動物がオレンジ色をしているのは表面に紫外線を防御する物質を持っているからです。

アデリーペンギンの食べ物はなんですか?
→ 南極オキアミです。(釣具屋さんにも売ってます)

排泄物やゴミなどはどうしているのですか?
→ 排泄物などはバクテリアで分解し炭にして焼却して灰にして日本に持ち帰ります。ゴミもすべて持ち帰ります。

病気などは大丈夫ですか?
→ 新しい隊員が来ると風邪が流行ります。インフルエンザも日本で流行るとワクチンを打ちます。

一番苦しい時はどんな時ですか?
→ 家族が病気になったり、今回の地震のようなことが起こったときすぐに戻れないことです。

紅白歌合戦の電報は本当に打ってたんですか?
→ 本当です。でも今はインターネットがつながるので珍しくなくなり、紅白には取り上げられません。







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